建設業の定義

建設業法でいうところの「建設業」とは、元受、下請、その他いかなる名義をもってするかを問わず、建設工事の完成を請け負うことを言います。

 

請負は、民法で規定される典型契約の一種で、当事者の一方(請負人)が、ある仕事を完成する事を約束し、相手方(注文者)がその仕事の結果に対して報酬を支払うことを約束することにより成立する契約を言います。

 

したがってこの定義に該当しないものは、建設業に類似する行為であっても建設業法で定める「建設業」には該当しません。

 

例えば、人工出し(労働力の提供のみ)や設備のメンテナンスなどは請負に該当しない為、建設業には該当しません。

営業所

営業所とは、本店又は支店若しくは常時建設工事の請負契約を締結する事務所をいいます。

 

したがって、本店又は支店は常時建設工事の請負契約を締結する事務所ではない場合であっても、他の営業所に対し請負契約に関する指導監督を行う等建設業に係る営業に実質的に関与する場合には、営業所に該当することになります。

 

また、常時請負契約を締結する事務所とは、請負契約の見積、入札、狭義の請負契約締結等、請負契約の締結に係る実体的な行為を行う事務所をいい、契約書の名義人が当該事務所を代表するものであるか否かを問わないこととされています。

一般建設業許可・特定建設業許可

建設業の許可には、一般建設業許可と特定建設業許可の2種類があります。

 

一定の要件に該当する工事を受注し施工する場合、特定建設業の許可要件を充足する必要があります。

 

発注者(施主)から直接工事を受注する元受業者が、工事の全部または一部を下請に出す場合で、下請けに出す元受金額の総額が以下に該当する場合、特定建設業許可を取得しなければなりません。
@建築一式工事の場合……7000万円以上
A建築一式工事以外の工事……4500万円以上

 

仮に10億円の工事を請け負った場合でも、制限以上の工事を下請に発注することなく自社で施工する場合は一般建設業許可で問題ありません。

 

また、自社が元請業者で無い場合も一般建設業許可で問題ありません。
(自社が一次下請業者である場合等)

許可の有効期間

許可の有効期間は、許可のあった日から5年目を経過する日の前日を持って満了する事とされています。

 

この場合、当該期間の末日が日曜等の行政庁の休日であっても、その日を持って満了することになります。したがって、引き続き建設業を営もうとする場合には、期間が満了する30日前までに更新の手続きをとらなければならず、手続きを怠れば期間満了とともに効力を失い、引き続いての営業ができなくなります。

 

なお、許可の更新の手続きをとっていれば、有効期間の満了後も許可または不許可の処分があるまでは、従前の許可が有効となります。

軽微な建設工事

軽微な建設工事とは建設業許可を得なくても行うことが出来る工事です。

 

次のような軽微な建設工事のみを請け負うことを営業するものは建設業の許可を受けなくても営業出来ます。

 

@建築一式工事の場合……工事1件の請負代金の額が1500万円に満たない工事、又は延べ面積が150uに満たない木造住宅工事
A建築一式工事以外の工事……工事1件の請負代金の額が500万円に満たない工事

 

軽微な工事のみを請け負う事業者であっても、その工事が解体工事である場合は、解体工事業の登録を受ける必要があります。

知事許可・大臣許可

事業者が取得する建設業許可が大臣許可となるか、県知事許可になるかについては各事業者による営業所の設置状況により区分されます。

 

大臣許可……2以上の都道府県の区域に営業所を設けて営業しようとする事業者が取得します。
知事許可……1の都道府県の区域に営業所を設けて営業しようとする事業者が取得します。

 

この区分は、事業者が置く営業所の状況に応じて、当該事業者に対する監視をより適正に行いうる行政庁に許可審査等を行わせる事を目的にしています。
知事許可であっても他県に営業所を設置しない限りにあっては他県での営業を行うことが出来ます。

 

広島県内に事務所が1つ→知事許可
広島県内及び山口県内にそれぞれ事務所がある→大臣許可

建設工事の種類

建設工事の種類には2つの一式工事と27種の専門工事があります。

 

一式工事
@土木一式工事…土木系の建築工事の内、原則として元受業者として総合的な企画、指導、調整をし土木工作物を建設する工事です。
沢山の下請業者によって施工される大規模かつ複雑な工事を言います。
具体的には、はダム、トンネル、空港、橋梁、高速道路、団地の造成(個人宅の造成は含まない)等を一式として請け負う工事が該当します。

 

A建築一式工事…建築系の建設工事の内、原則として元請業者として総合的な企画、指導、調整をし建築物を建設する工事です。
沢山の下請業者によって施工される大規模かつ複雑な工事を言います。
建築確認を要するような規模の建物の新築工事や増改築の工事が該当します。

 

専門工事
専門工事は以下の27種に分類されます。
大工工事、左官工事、とび・土工・コンクリート工事、石工事、屋根工事、電気工事、管工事、タイル・レンガ・ブロック工事、鋼構造物工事、鉄筋工事、舗装工事、浚渫工事、板金工事、ガラス工事、塗装工事、防水工事、内装仕上工事、機械器具設置工事、熱絶縁工事、電気通信工事、造園工事、さくい工事、建具工事、水道施設工事、消防施設工事、清掃施設工事、解体工事